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2025.08.29 #製造業 #半導体

日本や世界の半導体メーカー・会社・企業を分野別で紹介【2025年版】

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日本と海外における半導体メーカーおよび企業

半導体は今や自動車、スマートフォン、データセンター、AIなどあらゆる分野の成長を支える基盤産業であり、その中心には数多くの半導体メーカーや半導体企業が存在する。中でも日本は、半導体素材メーカーや半導体装置メーカーとして世界をリードし、フォトレジストやシリコンウェーハ、高純度ガスなどの分野で圧倒的なシェアを持つ。

本記事では2025年版として、日本や世界の代表的な半導体メーカーを分野別に整理し、それぞれの特徴をわかりやすく解説していく。調達や事業戦略を考える上で半導体業界の全体像を体系的に理解できるだろう。

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目次

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世界の半導体企業売上ランキング

順位企業名売上(十億ドル)
2Q25
前四半期比
報告値
1NVIDIA(エヌビディア)45.02.1%
2Samsung SC(サムスン)19.911%
3SK Hynix(ハイニックス)15.926%
4Broadcom(ブロードコム)14.9-0.1%
5Intel(インテル)12.91.5%
6Micron Technology(マイクロンテクノロジー)9.316%
7Qualcomm(クアルコム) (IC)9.0-5.0%
8AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)7.73.3%
9MediaTek(メディアテック)4.9-1.9%
10Texas Instruments Incorporated(テキサス・インスツルメンツ)4.49.3%
11Infineon Technologies(インフィニオン・テクノロジーズ)4.23.1%
12NXPセミコンダクターズ2.93.2%
13ソニー株式会社2.8-0.2%
14STマイクロエレクトロニクス2.810%
15Analog Devices(アナログ・デバイセズ)2.84.2%
16キオクシアホールディングス株式会社2.4-1.2%
17ルネサス エレクトロニクス株式会社2.25.1%
18Marvell Technology(マーベル・テクノロジー)2.05.5%
19Onsemi1.51.6%
20Microchip Technology(マイクロチップ・テクノロジー)1.111%

引用元:Semiconductor Intelligence(https://www.semiconductorintelligence.com/semiconductors-still-strong/

2025年第2四半期の半導体企業売上ランキングでは、Nvidiaが1位(売上450億ドル)となりAI需要を背景にトップを維持しました。2位はSamsung(199億ドル)、3位はSK Hynix(159億ドル)で、いずれもメモリ需要の好調さが寄与しています。

日本企業ではソニー株式会社が13位(28億ドル)、キオクシアホールディングス株式会社が16位(24億ドル)、ルネサス エレクトロニクス株式会社が17位(22億ドル)にランクインしました。全体として売上は前年比7%増と堅調ですが、分野ごとの差も鮮明で、特にAIメモリやデータセンターが牽引役となっています。

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国内の半導体のメーカー・会社・企業一覧

会社名分野特徴
東京エレクトロン株式会社半導体製造装置メーカーエッチング・成膜・コータデベロッパを展開し、NAND積層など技術革新を牽引
アドバンテスト株式会社半導体製造装置メーカー(検査装置)スマホから人工衛星まで信頼性を支え、AI・先端分野で重要な役割
株式会社SCREENホールディングス半導体製造装置メーカー洗浄・塗布・現像など幅広く対応し、次世代デバイスに不可欠
株式会社ディスコ半導体製造装置メーカー(精密加工装置)「切る・削る・磨く」に特化しダイシングソーで約70%シェア、グラインダやポリッシャでも高い占有率
株式会社日立ハイテク半導体製造装置メーカー電子顕微鏡・解析装置に強く、ナノスケール解析技術で不良解析や歩留まり向上に貢献
信越化学工業株式会社半導体素材メーカーシリコンウェーハ世界最大手、SOIや高純度シリコン技術で微細化・高集積化を支える
株式会社SUMCO半導体素材メーカーシリコンウェーハ専業、300mm大口径ウェーハなど高品質基板を供給
東京応化工業株式会社半導体素材メーカー国産初フォトレジストを開発、EUV対応など先端フォトレジストで世界市場をリード
JSR株式会社半導体素材メーカーフォトレジスト・CMPスラリーなど幅広く展開、材料ラインナップを拡充し国際的地位確立
富士フイルム株式会社半導体素材メーカーフォトレジストやCMPスラリーなど幅広い電子材料を提供、前工程から後工程まで対応
森田化学工業株式会社半導体素材メーカー高純度フッ化水素酸など洗浄薬液を提供、微細加工工程で信頼性・歩留まり向上に貢献
ステラケミファ株式会社半導体素材メーカー超高純度フッ化水素酸(12N)を供給、微細加工やエッチング工程に不可欠
株式会社レゾナック・ホールディングス半導体素材メーカー封止材・高純度ガスなど幅広く展開、AI材料設計や宇宙実験など先端技術開発に注力
日本酸素ホールディングス株式会社半導体素材メーカー電子材料ガスと供給装置を提供、特殊ガスやMOCVD装置で世界展開
林純薬工業株式会社半導体素材メーカー高純度試薬を提供、SEM観察や薬液処理サービスで開発・解析を支援
株式会社フジミインコーポレーテッド半導体素材メーカーCMP研磨材で世界シェアトップ、ウェーハ平坦化工程で重要な役割
JX金属株式会社半導体素材メーカースパッタリングターゲットで世界シェア約60%、銅箔や化合物基板も提供
三菱マテリアル株式会社半導体素材メーカーシリコン基板、リードフレームなどを展開、複数製品で世界シェアNo.1
住友ベークライト株式会社半導体素材メーカー封止用エポキシ樹脂で世界トップ、パッケージ基板材料や高耐熱樹脂も展開
味の素株式会社半導体素材メーカーABF(層間絶縁フィルム)で高性能CPUパッケージを支える、ほぼ独占的シェア
イビデン株式会社半導体製造メーカーICパッケージ基板・PCBで高評価、微細配線・グラファイト部材に強み
新光電気工業株式会社半導体製造メーカー高品質パッケージ専業、フリップチップやマルチチップモジュールを展開
株式会社三井ハイテック半導体素材メーカーリードフレームの世界的メーカー、高精度加工と表面処理技術に強み
TECOM株式会社半導体素材メーカーシリコン・GaN・SiCなど先進材料を加工・供給、光学やパワー半導体にも展開
日本ガイシ株式会社半導体素材メーカー高性能セラミックス部品を提供、窒化アルミニウム製ヒーターやGaN基板に強み
梅郷電子株式会社半導体素材メーカーシリコンウェーハ加工に特化、切断から研磨・洗浄まで一貫生産
京セラ株式会社半導体素材メーカーファインセラミックス技術に基盤、多層パッケージや装置部品、受託加工も展開
TOPPANホールディングス株式会社半導体素材メーカーフォトマスクやFC-BGA基板を製造、2.5D/3DパッケージングやEUV対応製品に強み
HOYA株式会社半導体素材メーカーフォトマスク用マスクブランクスで世界をリード、EUV対応製品やHDD用ガラス基板も展開
マクニカホールディングス株式会社半導体商社世界160社以上と提携、部品供給に加え設計支援やAI/IoTソリューションも展開
丸文株式会社半導体商社老舗エレクトロニクス商社、ICやメモリ販売に加え設計支援から保守まで提供
株式会社レスター半導体商社半導体や電子部品の供給を軸に総合ソリューションを展開。海外企業とも提携
ソニー株式会社半導体製造メーカーイメージセンサー世界トップシェア、CMOSやAI対応センサーで多分野に展開
キオクシアホールディングス株式会社半導体製造メーカーNAND型フラッシュメモリ大手、「BiCS FLASH™」など革新的技術で業界をリード
ルネサス エレクトロニクス株式会社半導体製造メーカーマイコンやSoCで車載・産業分野に強み、車載マイコンは世界的トップシェア
ローム株式会社半導体製造メーカー総合半導体メーカー、特にSiCパワーデバイスの量産を世界で初めて実現

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国内の半導体製造装置メーカー

国内には世界市場で存在感を示す半導体製造装置メーカーが複数存在する。ここでは代表的な5つの企業を紹介する。

東京エレクトロン株式会社

東京エレクトロン株式会社は1963年設立、東京都港区に本社を置く日本を代表する半導体製造装置メーカーである。主力製品であるコータ/デベロッパやエッチング装置などで世界トップクラスのシェアを有し、その装置は世界中の半導体工場で広く利用されている。

NANDフラッシュメモリの多層化をはじめ、半導体の微細化・高性能化を支える数々の技術革新を牽引してきた。今後もAIやデータセンター等の需要拡大を背景に、デジタル化と脱炭素化を両立する社会の実現に不可欠な企業として、その役割はますます重要になると期待されている。

アドバンテスト株式会社

アドバンテスト株式会社は、1954年に設立された日本の大手半導体検査装置メーカーであり、東京都千代田区に本社を構える。主力事業は半導体デバイスのテストシステムであり、集積回路やシステムオンチップなどの性能や耐久性を検証する装置を提供している。これらの検査技術はスマートフォンや自動車、人工衛星に至るまで幅広い製品の信頼性を支えており、特にAIや高性能プロセッサなどの先端分野で重要な役割を果たしている。

同社の装置は設計段階から量産後までの各工程で利用され、欠陥検出や動作確認を通じて品質の安定化と生産効率の向上に貢献している。さらに次世代半導体の高度化に伴い、テスト工程の重要性は増しており、アドバンテストは世界市場でも高い評価を得ている。

株式会社SCREENホールディングス

株式会社SCREENホールディングスは、1943年に大日本スクリーン製造株式会社として設立され、現在は京都市に本社を置く大手半導体製造装置メーカーである。特に半導体製造に不可欠なウェーハ洗浄装置で世界シェア1位を維持し続けており、微細化や高集積化が進む半導体産業において中核的役割を担っている。

同社は300mmウェーハ対応装置からIoTや車載向けの200mm以下装置まで幅広い製品群を揃え、洗浄に加えて塗布・現像、熱処理、計測、検査といった多様な工程に対応している。これにより、半導体の高品質かつ効率的な量産体制を支えるとともに、次世代デバイスに対応する技術基盤を提供している。

株式会社ディスコ

株式会社ディスコは、1937年に設立され、東京都大田区に本社を置く半導体製造装置メーカーである。同社はシリコンウェーハをはじめとする電子部品の精密加工技術に特化し、「切る・削る・磨く」を基盤とした装置開発で世界的なシェアを誇っている。

特に半導体チップを個片化するダイシングソーでは約70%のシェアを占め、さらにウェーハを薄く仕上げるグラインダや表面を平滑化するポリッシャにおいても6割以上の市場を獲得していることが特徴である。また、加工に必要なブレードやホイールなどの消耗工具も自社で製造・販売し、装置とツールの両面から顧客を支える体制を確立している。

これにより後工程における高精度切断や薄膜加工を可能にし、微細化と高性能化が進む半導体産業において不可欠な役割を担っている。

株式会社日立ハイテク

株式会社日立ハイテクは、日立製作所グループの中核企業として計測・分析機器や電子デバイス事業を展開する総合技術メーカーであり、半導体製造分野においても重要な役割を担っている。主力製品にはプラズマエッチング装置や測長SEM(CD-SEM)、欠陥検査装置などがあり、微細化の進展に伴う高精度な加工・検査ニーズに応える技術を提供している。

これらの装置は、半導体チップの歩留まり向上や信頼性確保に直結するものであり、国内外の大手半導体メーカーから高い評価を得ている。さらに、山口県笠戸地区にエッチング装置の新生産拠点を開設し、デジタル化と自動化を取り入れた生産体制を強化しており、グローバル市場における安定供給力の向上を図っている。

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国内の半導体材料メーカー

国内には世界の半導体供給網を支える材料メーカーが数多く存在する。ここでは代表的な25社を紹介する。

信越化学工業株式会社

信越化学工業株式会社は、1926年に設立され、東京都千代田区に本社を置く日本を代表する総合化学メーカーである。中でも半導体分野では、シリコンウェーハの世界最大手サプライヤーとして知られ、グローバル市場に安定的に供給している。特に300mm大口径ウェーハや高速・低消費電力を可能にするSOIウェーハの量産を先駆的に実現し、最先端デバイスの開発に大きく貢献している。

同社は高純度シリコンの単結晶引き上げ技術やエピタキシャル成長技術に強みを持ち、欠陥を極限まで抑えた製品を提供している。また、厳格な品質管理体制を構築し、微細化と高集積化が進む半導体製造における技術基盤を確立していることが特徴である。これにより信越化学は、世界中の半導体メーカーにとって不可欠な存在となっている。

株式会社SUMCO

株式会社SUMCOは、住友金属工業と三菱マテリアルのシリコン事業を源流とし、東京都港区に本社を置くシリコンウェーハ専業メーカーである。半導体デバイスの基盤となる高品質ウェーハを製造し、世界市場でトップクラスのシェアを誇る。

高純度の単結晶シリコンを引き上げ、超精密に加工して作られるウェーハは半導体の性能を左右する重要材料だ。同社は300mm大口径ウェーハなどを供給し、最先端半導体の微細化・高集積化を支える基盤技術は、世界中のメーカーから高く評価されている。

東京応化工業株式会社

東京応化工業株式会社は1940年に設立され、神奈川県川崎市に本社を置く化学メーカーである。1968年に国産初の半導体用フォトレジストを開発して以来、微細加工に欠かせないフォトレジストと高純度化学品を世界に供給してきた。フォトレジストは、半導体回路を形成する際の露光・現像工程で利用される感光性材料であり、線幅の縮小と精度向上に直結する重要な材料である。

同社はEUV、ArF、KrFなどの多様な露光技術に対応するフォトレジストを展開し、世界市場で高いシェアを確保している。さらに前工程・後工程の両方で、レジストの設計から露光、現像、洗浄に至るプロセスを支えており、半導体の微細化と高性能化を強力に後押ししている。

JSR株式会社

JSR株式会社は1957年に設立、東京都港区に本社を置く化学メーカーである。高分子化学を応用し、半導体製造に不可欠なフォトレジストやCMP材料、実装材料などを幅広く展開。前工程から後工程までを包括的に支え、世界中の半導体メーカーから高く評価されている。

2024年には高純度CVD/ALD前駆体を強みとするヤマナカヒューテック株式会社を子会社化し、材料ラインナップを拡充。次世代半導体製造を支える総合材料メーカーとして国際的な地位を確立している。

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富士フイルム株式会社

富士フイルム株式会社は、1934年に設立され、東京都港区に本社を置く精密化学メーカーである。写真フィルム技術を基盤に培った材料科学を応用し、半導体分野では幅広い電子材料を提供している。主力製品にはフォトレジストやリソグラフィー関連材料、CMPスラリー、現像液、洗浄剤、薄膜形成用ケミカル、耐熱性に優れるポリイミドなどがあり、前工程から後工程までを包括的に支えている。

同社は静岡、大分、熊本に製造拠点を持ち、安定供給体制を確立するとともに、研究開発拠点を通じて次世代デバイスの要求に応える技術を強化している。

森田化学工業株式会社

森田化学工業株式会社は1935年に設立、大阪市に本社を置く無機フッ素化学専門の老舗メーカーである。半導体製造に不可欠な高純度フッ素化合物を供給し、主力拠点である神崎川事業所では、世界トップクラスのシェアを誇る高純度フッ化水素酸などを製造している。

これらの薬液はシリコンウェーハのエッチングや洗浄、コンタクトホールのクリーニングなどに用いられ、微細な残留物を除去することで製品の信頼性と歩留まり向上に直結する。同社の高度な高純度化技術は国際的に高く評価され、製品は世界中の半導体や電子部品の製造現場に供給されている。

ステラケミファ株式会社

ステラケミファは1944年設立、大阪市に本社を置く化学メーカーである。特に半導体分野では、製造工程に不可欠な超高純度フッ化水素酸を供給する。業界をリードする精製技術で純度99.9999999999%(12N)を達成した製品は、微細加工におけるエッチングや洗浄で要求される極めて高い品質を満たし、世界的な信頼を得ている。

国内外に生産拠点を持ち、グローバル市場へ安定供給する体制を構築。その技術と供給網は、半導体の微細化と高性能化を支える基盤となっている。

株式会社レゾナック・ホールディングス(旧:昭和電工)

株式会社レゾナック・ホールディングスは、2023年に昭和電工と昭和電工マテリアルズ(旧日立化成)の統合によって誕生した総合化学メーカーであり、東京都港区に本社を置く。半導体分野では前工程から後工程まで幅広い材料を展開し、高い市場競争力を有している。具体的には、半導体パッケージの封止成形用洗浄シートやレジスト・ワックス残渣を除去する溶剤、高純度ガスやフッ素化学製品などを提供し、微細化が進む製造工程を支えている。

また、日米の研究機関や企業と連携し、光照射を用いた新しい洗浄技術やAIシミュレーションによる材料設計、国際宇宙ステーションにおける材料評価実験など先端的な取り組みを進めている。こ

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日本酸素ホールディングス株式会社(旧:太陽日酸)

日本酸素ホールディングス株式会社は、1910年創業の老舗ガスメーカーを母体とし、2020年に太陽日酸を前身として発足した企業であり、東京都品川区に本社を置く。半導体分野では、製造工程に不可欠な電子材料ガスと供給装置を提供する総合サプライヤーとして世界的に事業を展開している。

特に、高純度の特殊ガスやミクスチャーガス、液体・固体材料を顧客の要求に応じてカスタマイズ供給しており、各工程に適合したガス供給設備とともに提供する点が特徴である。また、化合物半導体の製造に用いられるMOCVD装置や、高精度なガス分析技術を有し、歩留まり改善や品質保証に貢献している。さらに、環境負荷を低減するガス処理・回収ソリューションにも注力し、持続可能な半導体製造を支える技術基盤を構築している。

林純薬工業株式会社

林純薬工業株式会社は1932年設立、大阪市に本社を置く化学メーカーである。高純度試薬の製造を主力とする一方、半導体分野では基板観察や薬液処理の受託サービスも展開。SEMによる高精細画像提供やFIB加工による任意部位の詳細観察を行い、開発段階の評価や不良解析を支援する。

また、Dip・Spray方式で柔軟な薬液処理を行い、基板表面の洗浄や処理工程の精度向上に貢献。研究開発型企業として、先端プロセスの信頼性や品質を高めるサービスを提供している。

株式会社フジミインコーポレーテッド

株式会社フジミインコーポレーテッドは1953年に設立、愛知県清須市に本社を置く世界的大手研磨材メーカーである。半導体分野ではシリコンウェーハの鏡面研磨や、多層配線の平坦化に用いる化学機械研磨(CMP)スラリーで世界的に高いシェアを誇る。

同社の高精度な研磨材はナノレベルの表面仕上げを可能にし、微細化が進む最先端半導体の製造に不可欠な役割を担う。長年培った材料設計技術と品質管理体制で世界中の半導体メーカーに安定供給を実現しており、エレクトロニクス産業を支える基盤的存在である。

JX金属株式会社

JX金属は新日鉱ホールディングスなどを前身とし、2010年に現社名へ変更された非鉄金属メーカーで、東京都港区に本社を置く。半導体分野では高純度スパッタリングターゲットや銅箔、化合物半導体基板などを供給する。特に半導体の配線形成に不可欠なスパッタリングターゲットは世界シェア約60%を占める。

また、高機能な圧延銅箔でも世界トップクラスのシェアを誇り、スマートフォン等に利用される。InPなどの化合物半導体基板も手掛け、高速通信や光デバイスの発展に寄与。次世代半導体プロセスに対応する材料開発にも注力している。

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三菱マテリアル株式会社

三菱マテリアル株式会社は、1990年に三菱金属と三菱鉱業セメントが合併した、東京都千代田区に本社を置く総合素材メーカーである。非鉄金属やセメントなど幅広い事業を展開する中で、半導体分野でも重要な役割を担っている。同社はシリコン加工品、シール材、低α線はんだめっき液、リードフレームといった製品を提供しており、複数の分野で世界シェアNo.1を獲得している。

特に高平坦度と低粗さを実現した大型の角型シリコン基板は、次世代半導体パッケージに不可欠な材料として高い評価を受けている。また、低放射線特性を持つはんだめっき液は、半導体メモリの誤動作防止に寄与しており、信頼性確保に直結している。さらに同社は製造能力の拡充と高機能素材の研究開発を進め、半導体需要の拡大に対応するとともに、先端パッケージ技術や高性能デバイスの進展を支える取り組みを強化している。

住友ベークライト株式会社

住友ベークライト株式会社は、1932年に設立され、東京都品川区に本社を置く合成樹脂メーカーである。世界初の合成樹脂であるフェノール樹脂(ベークライト)を日本で初めて工業化したパイオニアで、現在は半導体分野における材料供給で国際的に高い評価を得ている。特に、封止用エポキシ樹脂「スミコン® EME」は世界トップシェアを誇り、パッケージの信頼性向上に大きく貢献している。

さらに、ウェハコーティング樹脂やダイボンドペーストといった製品群を展開し、幅広い工程を支えている。加えて、パッケージ基板材料「LαZ」シリーズを提供し、コア材・プリプレグ・ソルダーレジストを通じて先端PKG技術に対応している。また、PLP向けの圧縮成形用封止樹脂(顆粒材料)や、SiCパワーモジュール向けの高Tgエポキシ封止材料などを開発し、放熱性や信頼性の向上を実現している。

味の素株式会社

味の素株式会社は、1925年に設立され、東京都中央区に本社を置く総合食品メーカーであるが、独自のアミノ酸化学や材料技術を応用し、半導体分野においても世界的に重要な役割を果たしている。特に「味の素ビルドアップフィルム(ABF)」は、高性能CPUのパッケージ基板に用いられる層間絶縁フィルムであり、主要PC向けにおいてほぼ100%のシェアを誇る製品として知られている。

ABFは微細化が進む配線を絶縁・保護するとともに、信号伝達の安定性を確保する機能を持ち、データ処理性能の向上に欠かせない材料である。近年ではAIや高速通信を支える先端半導体に不可欠な基盤技術として需要が拡大しており、味の素は食品分野にとどまらず、次世代半導体産業を支えるキープレイヤーとして国際的な存在感を示している。

イビデン株式会社

イビデン株式会社は、1912年に設立され、岐阜県大垣市に本社を置く電子部品メーカーである。半導体分野においては、ICパッケージ基板やプリント配線板(PCB)の製造を主力とし、世界市場で高い評価を得ている。特にFlip-Chipパッケージ向けに求められる微細配線やマイクロビア形成技術に強みを持ち、PCやデータセンターで使用される高性能半導体の信頼性と処理能力の向上に寄与している。

また、同社が提供する高純度グラファイト部材は、単結晶シリコンウェハーの製造やイオン注入装置の構成部品として利用され、製造プロセスの高精度化と安定性を支える役割を果たしている。

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新光電気工業株式会社

新光電気工業株式会社は、1946年に設立され、長野県長野市に本社を置く半導体パッケージメーカーである。半導体分野では世界的に高品質で高機能なパッケージを提供するトップ企業として知られており、フリップチップパッケージやリードフレーム、マルチチップモジュール、ガラス封止といった多様な技術を有している。

これらの製品は半導体デバイスの小型化や高性能化に不可欠であり、スマートフォンやタブレットといった情報端末から、自動車の制御システムや先進運転支援装置に至るまで幅広く利用されている。また、同社はパッケージ基板や接続技術においても高度な研究開発を進め、次世代半導体デバイスに対応するソリューションを提供している。

株式会社三井ハイテック

株式会社三井ハイテックは、当初「株式会社三井工作所」として1957年に設立され、1984年に現在の「株式会社三井ハイテック」へ商号を変更、福岡県北九州市に本社を置く精密加工メーカーである。同社は世界で初めてスタンピング方式によるリードフレームの量産化を実現し、現在ではエッチング方式も含む多様な加工技術を活用して高精度かつ高信頼性の製品を供給している。

リードフレームは、スマートフォンやパソコンといった情報端末から、自動車の電子制御モジュールに至るまで幅広く利用されており、機器の小型化と性能向上を支える基盤材料となっている。三井ハイテックは精密プレス加工や表面処理技術に強みを持ち、次世代半導体パッケージの進化に不可欠な存在として世界市場で高い評価を受けている。

TECOM株式会社

TECOM株式会社は、大阪市に本社を構える素材加工メーカーであり、シリコンやサファイアをはじめとする先進材料や光学用結晶の供給・加工を行っている。半導体分野では、単結晶および多結晶シリコン、GaN(窒化ガリウム)、SiC(炭化ケイ素)といった次世代デバイス向け材料を提供し、微細化や高性能化が進む産業の基盤を支えている。

また、ダイヤモンド基板やセラミックス、ガラス類といった多様な素材に対応可能な高精度加工技術を有しており、研究開発用途から量産まで幅広いニーズに応えていることが特徴である。同社の製品は、半導体デバイスだけでなく光学デバイスやパワーエレクトロニクスの分野でも利用されており、信頼性と品質を重視した供給体制により、国内外のメーカーから高い評価を得ている。

日本ガイシ株式会社

日本ガイシ株式会社は、1919年に設立され、愛知県名古屋市に本社を置くセラミックスメーカーである。同社は送電用碍子の製造から発展し、現在では半導体製造装置向けの高性能セラミックス部品を主力の一つとして展開している。特に窒化アルミニウム製のヒーターやステージは、優れた耐熱性・耐食性と高い熱伝導性・絶縁性を兼ね備え、過酷な環境下におけるシリコンウェーハ加工で安定した温度制御と均熱性を実現している。

また、窒化ガリウム(GaN)ウエハー「FGAN」や、パワー半導体モジュール向けの放熱絶縁基板の開発にも取り組み、次世代デバイスの高効率化と信頼性向上に寄与している。これにより日本ガイシは、半導体産業の微細化とパワーエレクトロニクスの進展を支える重要な材料メーカーとして世界的に評価されている。

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梅郷電子株式会社

梅郷電子株式会社は、1966年に設立され、千葉県野田市に本社と工場を構えるシリコンウェーハ加工メーカーである。同社は半導体デバイスの基盤となるシリコンウェーハの製造において、切断、エッチング、鏡面研磨、洗浄、検査といった一連の工程を自社で一貫して行っている点が特徴である。これにより高精度かつ高品質な製品を安定的に供給し、大手半導体メーカーからの信頼を獲得してきた。

また、用途や顧客ニーズに応じて多様な寸法や厚さのウェーハに対応できる柔軟な加工技術を持ち、研究開発用途から量産用途まで幅広い分野に提供している。

京セラ株式会社

京セラ株式会社は、1959年に設立され、京都市伏見区に本社を置く総合電子部品メーカーである。半導体分野においては、ファインセラミックス技術を基盤に多様な製品とサービスを展開している。特に、耐プラズマ性に優れた製造装置用セラミックス部品は、過酷な環境下でも安定した性能を発揮し、プロセスの精度維持に貢献している。

また、ICチップを外部環境から保護するセラミック多層パッケージは、高い信頼性と耐久性を備え、先端デバイスの小型化・高集積化を支えている。さらに、IC基盤へのUBMめっきやはんだバンプ加工といった後工程受託サービスも手掛けており、設計から実装まで一貫したソリューションを提供している。

TOPPANホールディングス株式会社

TOPPANホールディングス株式会社は、1900年に創業し、東京都文京区に本社を置く世界最大級の印刷会社である。印刷技術を応用して半導体分野にも事業を展開しており、フォトリソグラフィーを活用したフォトマスクの開発・製造では世界有数のサプライヤーとして知られている。

また、小型・高性能LSI向けに不可欠な高密度FC-BGAサブストレートや次世代パッケージ基板を製造し、データセンターやスマートデバイス分野での需要に応えている。さらに、2.5D・3Dパッケージング技術やパワー半導体用基板、EUV対応フォトマスク、ナノインプリント技術など先端領域にも注力している点が特徴である。

現在では、設計から製造までを包括するーンキーサービスを展開し、半導体の高集積化と高性能化を支える基盤技術を提供している。

HOYA株式会社

HOYA株式会社は、1941年に設立され、東京都新宿区に本社を置く光学・情報エレクトロニクス分野の大手メーカーである。半導体分野では、フォトマスクの基盤となる「マスクブランクス」の研究開発・製造で世界をリードしており、EUV露光にも対応する製品を提供している。

これらは微細化が進む回路パターンを高精度に転写可能とし、最先端の半導体製造に欠かせない重要部材である。また、同社はHDD用ガラス基板の分野でも高いシェアを持ち、耐久性と信頼性に優れる製品を供給している。これにより、ストレージ分野の発展と次世代半導体製造の双方に貢献している。HOYAは光学・精密加工技術を強みに、今後も半導体産業の高度化を支える素材メーカーとして世界的な存在感を示している。

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国内の半導体商社

国内には、半導体製品の流通や技術支援を担う商社が存在し、産業の発展を陰で支えている。ここでは代表的な3つを紹介する。

マクニカホールディングス株式会社

マクニカホールディングス株式会社は、2015年に設立され、神奈川県横浜市に本社を置く半導体・電子部品の輸出入販売を主軸とした日本の大手技術商社である。同社は単なる部品供給にとどまらず、設計段階から製品開発に至るまで技術的な支援を行い、新たな応用設計や用途展開を支える体制を整えている。

また、ネットワーク機器やサイバーセキュリティ、AIやCPSソリューション事業にも注力し、半導体を核とした幅広い技術サービスを提供している。

丸文株式会社

丸文株式会社は、1947年に創業された日本有数の老舗エレクトロニクス商社であり、東京都中央区に本社を置く。半導体および電子部品の仕入れ・販売を主力事業とし、集積回路や特定用途IC、メモリーICなど多岐にわたる製品を取り扱っている。同社は単なる商流機能にとどまらず、設計支援から部品調達、さらには保守・メンテナンスまでを含むワンストップの技術サービスを提供している点に強みを持つ。

国内外に約50拠点を展開し、グローバル市場においても信頼性の高いソリューションを展開できる体制を整えている。

株式会社レスター

株式会社レスターは、2009年に設立され、東京都港区に本社を置くエレクトロニクス商社である。エレクトロニクス分野において「情報プラットフォーマー」を掲げ、デバイス事業を中心に半導体や電子部品の供給と技術支援を行っている。取り扱う製品は各種チップやメモリ関連製品をはじめ多岐にわたり、顧客の設計、調達、品質に関する幅広いニーズに応えるマッチングサービスを提供していることが特徴である。

また、ベトナムのFPT Semiconductor社と戦略的提携を結び、半導体チップの販売拡大に加え、共同研究や設計開発、さらにOSATサービスの提供体制構築にも取り組んでいる。

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国内の半導体製造メーカー

日本には世界的に影響力を持つ半導体製造メーカーが存在する。ここでは代表的な4つを紹介する。

ソニー株式会社

ソニー株式会社は、1946年に設立され、東京都港区に本社を置く総合エレクトロニクスメーカーである。半導体分野では特にイメージセンサー市場において世界トップシェアを誇り、スマートフォンやデジタルカメラ、自動車向け先進運転支援システム(ADAS)など多岐にわたる分野で利用されている。

主力製品には高性能なCMOSイメージセンサーや「Exmor」シリーズがあり、信号処理から映像生成までをカバーする一貫した技術展開を実現している。さらに、マイクロディスプレイやレーザーダイオードといった光学デバイス、エッジAI対応センサー「AITRIOS™」も開発・提供しており、産業用途やエンターテインメント分野においても幅広く活用されている。

ソニーは高度なセンシング技術と半導体ソリューションにより、次世代社会インフラを支える中心的存在となっている。

キオクシアホールディングス株式会社

キオクシアホールディングス株式会社は、2017年に東芝メモリ株式会社として分社化され、2019年に現社名へ変更された日本を代表する半導体メーカーであり、東京都港区に本社を置く。主力事業はNAND型フラッシュメモリとSSDの開発・製造であり、世界市場において高いシェアを占めている。

1987年にNAND型フラッシュメモリを発明し、2007年には三次元構造のフラッシュ技術「BiCS FLASH™」を世界で初めて実用化するなど、革新的な技術で業界をリードしてきた。生産拠点として三重県四日市工場と岩手県北上工場を中心に大規模な供給体制を整備し、スマートフォンやPC、データセンターに至るまで幅広い用途に対応する高性能メモリ製品を提供している。同社は研究開発力と生産能力を背景に、次世代情報社会を支える基盤技術を担っている。

ルネサス エレクトロニクス株式会社

ルネサス エレクトロニクス株式会社は、2010年にNECエレクトロニクスとルネサステクノロジの統合により設立され、東京都江東区に本社を置く半導体メーカーである。自動車や産業分野を中心に、マイコン(MCU)、システムオンチップ(SoC)、アナログおよびパワー半導体など幅広い組み込みソリューションを提供している。

特に車載マイコン分野では世界的なトップシェアを持ち、安全性や省エネ性能を重視した製品が先進運転支援システムやEV制御などに広く採用されている。また、IoT機器や産業制御、社会インフラ向けにも展開し、高品質かつ安定した供給体制を確立している。同社は「暮らしを楽にする」をミッションに掲げ、豊富な製品群と技術開発力を通じてデジタルトランスフォーメーションを支えるグローバルリーダーとしての地位を築いている。

ローム株式会社

ローム株式会社は、1958年に設立され、京都市に本社を置く総合半導体メーカーである。LSIやトランジスタ、ダイオードといった幅広い半導体デバイスを供給し、長年にわたり電子機器産業を支えてきた実績を持つ。特に注目されるのはSiCパワーデバイス分野であり、2010年には世界で初めてSiC MOSFETの量産化に成功し、業界をリードしている。

最新の第4世代SiC MOSFETではオン抵抗を約40%削減し、スイッチング損失を50%低減するなど、性能と効率を大幅に向上させている。これらの革新的な製品は、自動車分野の電動化や産業機器の高効率化に不可欠であり、高精度な制御と低消費電力を同時に実現している。ロームは先端技術と品質を両立させることで、次世代パワーエレクトロニクスの発展を牽引している。

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海外の半導体のメーカー・会社・企業一覧

会社名分野特徴
ASML(オランダ)半導体製造装置メーカーEUVリソグラフィ装置の唯一の供給企業、露光技術で世界をリード
Applied Materials(米国)半導体製造装置メーカー世界最大級、成膜・エッチング・CMPなどほぼ全工程を網羅
Lam Research(米国)半導体製造装置メーカーウェハ加工に強み、薄膜形成・プラズマエッチング・洗浄装置に特化
KLA(米国)半導体製造装置メーカー欠陥検査・計測分野で世界トップシェア、AI解析も展開
ASM International(オランダ)半導体製造装置メーカー成膜技術に強み、特にALDで業界を牽引、多様な成膜技術を提供
NAURA Technology Group(中国)半導体製造装置メーカー中国最大級、エッチング・CVD・PVD・洗浄装置を提供、半導体自立化に貢献
Teradyne(米国)半導体製造装置メーカー自動検査装置大手、ロジックICやSoC対応、「UltraFLEX」「J750」が代表製品
SEMES(韓国)半導体製造装置メーカー洗浄・フォトトラック装置に強み、スーパークリティカル洗浄が国家技術認定
AMEC(中国)半導体製造装置メーカー5nm以下対応エッチング装置、MOCVDも展開、中国先端産業を支える
Dow Inc.(米国)半導体素材メーカー高純度溶剤・CMPスラリー・シリコーン材料を供給、ELECPURE™ブランドで展開
SICC Co.,Ltd.(中国)半導体素材メーカーSiCウェーハ専業、高品質・高信頼性でEVや5Gに応用
アロー・エレクトロニクス(米国)半導体商社世界最大級の電子部品商社、設計支援から物流まで一貫提供
アヴネット(米国)半導体商社幅広い製品供給、設計支援やBOM管理も行う総合ディストリビューター
WPGホールディングス(台湾)半導体商社アジア最大級の半導体ディストリビューター、物流・在庫管理に強み
NVIDIA(米国)半導体製造メーカーGPUの世界的リーダー、AI・HPC・自動運転分野を牽引
Samsung Semiconductor(韓国)半導体製造メーカーDRAMやNANDで世界最大級、3nm GAAプロセスを先駆け量産
SK hynix(韓国)半導体製造メーカーDRAM・NAND大手、HBMで世界シェア約70%
Broadcom(米国)半導体製造メーカー無線通信用チップやネットワーク半導体に強み、ソフト事業も展開
Intel(米国)半導体製造メーカー世界最大手CPUメーカー、グローバル生産体制を保有
Micron Technology(米国)半導体製造メーカーDRAM・NAND大手、日本で次世代DRAM工場建設中
Qualcomm(米国)半導体製造メーカーSnapdragonで有名、5G関連特許とライセンス収益が強み
AMD(米国)半導体製造メーカーRyzen・EPYC展開、Xilinx買収でCPU・GPU・FPGAを統合
MediaTek(台湾)半導体製造メーカー(ファブレス)スマホ向けSoC「Dimensity」が強み、AI・5Gに注力
Texas Instruments Incorporated(米国)半導体製造メーカーアナログIC・組込みプロセッサ大手、幅広い製品群
Infineon Technologies(ドイツ)半導体製造メーカー世界最大のパワー半導体メーカー、自動車・エネルギー分野に強み
NXPセミコンダクターズ(オランダ)半導体製造メーカー車載用半導体で世界的シェア、セキュリティとIoTにも強み
STマイクロエレクトロニクス(スイス)半導体製造メーカー(IDM)マイコン・パワー半導体・MEMSに強み、SiC活用でエネルギー効率化
Analog Devices(アナログ・デバイセズ)半導体製造メーカーアナログ・ミックスドシグナル・DSPに強み、信号チェーン全体を支える
Marvell Technology(マーベル・テクノロジー)半導体製造メーカー(ファブレス)ネットワーク・ストレージICやデータセンター向けSoCに強み
Onsemi(オンセミ)半導体製造メーカーパワーデバイスとセンシング技術、自動車・産業分野に強み
Microchip Technology(マイクロチップ・テクノロジー)半導体製造メーカー組込み向けMCU・FPGAを中心に幅広い製品を展開、長期供給体制
TSMC(台湾積体電路製造)半導体製造メーカー(ファウンドリ)世界最大の受託製造企業、先端プロセス技術で業界をリード

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海外の半導体製造装置メーカー

半導体産業を支える装置メーカーは日本だけでなく世界各国に存在する。ここでは代表的な9つを紹介する。

ASML(蘭)

ASMLは、1984年にオランダで設立され、フェルドホーフェンに本社を置く半導体製造装置メーカーである。半導体製造におけるリソグラフィ(露光)装置の分野で世界をリードしており、特に極端紫外線(EUV)リソグラフィ装置では唯一の供給企業として知られている。EUV装置は最先端の微細回路パターンを形成するために不可欠であり、プロセスの微細化による半導体チップの高速化や省電力化に直接寄与している。

また、同社はEUVに加えて深紫外線(DUV)リソグラフィ装置も展開し、幅広いノード世代の半導体製造に対応している。さらに、計測・検査システムやリソグラフィ用ソフトウェアを提供し、工程全体の信頼性と歩留まりの向上を実現している。ASMLは独自の技術力と市場独占的地位により、世界の半導体産業の進化を支える中核的存在である。

Applied Materials(米)

Applied Materialsは、1967年に設立され、米国カリフォルニア州サンタクララに本社を置く世界最大級の半導体製造装置メーカーである。同社は成膜、エッチング、CMP(化学機械的平坦化)、イオン注入、検査・計測といった製造工程のほぼ全てをカバーする装置を提供しており、幅広い半導体プロセスの革新を支えている。

特に薄膜形成技術や表面処理技術に強みを持ち、最先端ノードの微細化や高集積化に不可欠な役割を果たしている。また、同社は装置の長期使用を可能にする耐久性やアップグレード性を重視しており、修理や改良を前提とした設計を導入している点も特徴である。これにより、顧客は最新技術を取り入れながら環境負荷を抑制でき、持続可能な製造体制を構築できる。

Lam Research(米)

Lam Researchは、1980年に設立され、米国カリフォルニア州フリーモントに本社を置く半導体製造装置メーカーである。主力分野はウェハ加工装置であり、特に薄膜形成(成膜)、プラズマエッチング、レジスト除去、洗浄といった工程に強みを持つ。

これらの装置は、半導体の微細化と高集積化を進める上で不可欠であり、最先端プロセスにおける信頼性と精度を保証している。同社は設計から製造、販売、アフターサービスまでを一貫して手がけ、顧客のプロセス革新を長期的に支援する体制を整えている点が特徴である。また、日本法人を通じて国内メーカーにも長年技術と装置を提供しており、日本市場での存在感も大きい。Lam Researchは、高度な加工技術でチップの小型化と性能向上に寄与する世界的リーダーである。

KLA(米)

KLAは、1975年に米国カリフォルニア州で設立され、現在はミルピタスに本社を置く半導体製造装置メーカーである。半導体分野では欠陥検査と計測技術に特化し、世界トップクラスのシェアを誇っている。ウェハやパッケージ基板の製造工程に用いられる高精度な検査・計測装置を提供し、微細化が進む最先端プロセスにおける品質確保と歩留まり向上を支えている。

また、AIを活用したデータ解析システムやプロセス制御装置を組み合わせることで、生産効率を高めるソリューションを展開している。さらに、Frontline®ブランドによる品質管理ソフトウェアやサービスを通じて、研究開発段階から量産プロセスまで包括的にサポートする体制を整備している。KLAは高度な計測と解析技術により、半導体産業の安定供給と技術革新を支える重要な企業である。

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ASM International(蘭)

ASM Internationalは、1968年に設立され、オランダ・アルメレに本社を置く半導体製造装置メーカーである。世界中の半導体メーカーに向けて、ウェハ上に高品質な薄膜を形成する成膜装置を提供しており、微細化と高集積化が進む最先端プロセスを支えている。

特に原子層成膜(ALD)では業界を牽引する存在であり、エピタキシャル成膜(Epitaxy)、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)、垂直炉(Vertical Furnaces)など多様な技術ポートフォリオを展開している。

これらの装置はAI用半導体、自動車向け制御デバイス、医療機器、再生可能エネルギー関連デバイスなど幅広い分野で活用され、小型で高性能なチップの製造を可能にしている。

NAURA(中国)

NAURA Technology Group(北方华创科技集团)は、中国・北京に本社を置く半導体製造装置メーカーであり、国内最大級の規模を誇る企業である。主力事業はプラズマエッチング装置、PVD(物理気相成長)、CVD(化学気相成長)、焼成炉、洗浄装置、ガス制御システムなどの設計・製造であり、IC、パワー半導体、先進封装、化合物半導体といった幅広い用途に対応している。

こうした製品群は中国国内の半導体産業に広く採用されており、同国が目指す半導体自立化に大きく寄与している点が特徴である。さらに、2024年には世界の半導体製造装置サプライヤーランキングで中国企業として唯一トップ10入りを果たした。NAURAは、研究開発力と総合的な装置提供を強みに、国際市場でも存在感を高めつつある企業である。

Teradyne(米)

Teradyneは、1960年に設立され、米国マサチューセッツ州ノースリーディングに本社を置く自動検査装置(ATE)の世界的大手メーカーである。半導体分野ではSemiconductor Test Divisionを中心に事業を展開し、論理、アナログ、RF、パワー、ミックスシグナル、メモリといった幅広いデバイスに対応する高性能なテストソリューションを提供している。

同社の装置は柔軟なモジュラー型ハードウェアと高度なソフトウェアを組み合わせることで、テスト効率を高めるとともに品質保証を実現している。代表的な製品には「UltraFLEX」や「J750」シリーズがあり、ロジックICからSoC、メモリに至るまで多様な半導体デバイスのテストに用いられている。Teradyneはテスト精度とコスト削減を両立するソリューションにより、世界の半導体産業において重要な役割を果たしている。

SEMES(韓)

SEMESは、韓国を代表する半導体製造装置メーカーであり、年商約2.5兆ウォン規模を誇る。主力分野はウェハの前工程を支える洗浄(クリーン)装置、フォトトラック装置、エッチング装置であり、さらにテスト装置やパッケージング装置、物流自動化システムまで幅広い製品群を展開している。

特に、半導体用スーパークリティカル洗浄装置は韓国政府から国家核心技術に認定されるなど、独自の技術力の高さが評価されている。同社は設計から製造、販売、サービスまで一貫して手掛け、韓国国内はもちろんグローバル市場でも存在感を高めている。日本や米国メーカーに匹敵する装置を提供することで、先端チップの量産体制を支え、半導体産業全体の競争力強化に貢献している。

AMEC(中国)

AMEC(Advanced Micro-Fabrication Equipment Inc. China)は、2004年に設立され、中国・上海に本社を置く半導体製造装置メーカーである。グローバルに事業を展開し、最先端プロセスに対応する装置を提供している点で注目されている。特に、プロセスノード5nm以下に対応する絶縁膜やTSV(貫通シリコンビア)のエッチング装置を手がけており、微細化の進む半導体製造において重要な役割を果たしている。

また、LEDやパワーデバイス向けにMOCVD装置も展開し、幅広いデバイス分野に貢献している。AMECの装置は前工程に不可欠な高精度ツール群として信頼を集めており、チップの高性能化と同時に製造コストの削減を実現する技術基盤を提供している。同社は急成長を遂げる中国半導体産業を支える中核企業の一つとして、国際市場でも存在感を高めている。

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海外の半導体材料メーカー

半導体の高性能化を支える材料分野でも、世界には存在感を示す企業がある。ここでは代表的な2つを紹介する。

Dow Inc.(米)

Dow Inc.は、2019年に設立され、米国ミシガン州ミッドランドに本社を置く世界的化学メーカーであり、幅広い産業に材料ソリューションを提供している。半導体分野では、エレクトロニクス材料事業を通じて製造工程の信頼性と性能を支える製品を展開している。代表的なものに、薄膜プロセスやフォトレジスト処理に使用される高純度溶剤や界面活性剤、CMPスラリーなどのプロセス補助剤「ELECPURE™」がある。

また、半導体パッケージ向けには封止用やコーティング用のシリコーン材料を供給し、熱管理用途には高熱伝導性を活かした熱インターフェース材も展開している。これらの製品群は、微細化が進む最先端チップの安定した動作と高信頼性を確保する上で不可欠であり、ダウは総合的な材料ポートフォリオを通じて世界の半導体製造を支える重要な存在となっている。

SICC Co.,Ltd.(中国)

SICC Co.,Ltd.は、中国・山東省済南市に本社を構える半導体材料メーカーであり、単結晶炭化ケイ素(SiC)ウェーハの研究開発・製造・販売を専門としている。同社が提供する4H型SiCウェーハには、N型と半絶縁型の両タイプがあり、高品質かつ高信頼性を備えている点が特徴である。

炭化ケイ素はシリコンとカーボンから成る化合物半導体であり、広いバンドギャップや高い熱伝導性、優れた耐電圧性、電子移動速度の速さといった物理特性を持つ。これにより、従来のシリコン基板では対応が難しい高効率パワーエレクトロニクス分野に最適とされ、電気自動車、再生可能エネルギーシステム、5G通信インフラなどでの応用が進んでいる。

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海外の半導体商社

世界の半導体流通を支える商社は多く存在する。ここでは代表的な3つを紹介する。

アロー・エレクトロニクス(米)

アロー・エレクトロニクスは、1935年に設立され、米国コロラド州センテニアルに本社を置く世界最大級のエレクトロニクス商社である。電子部品および半導体のディストリビューションを主力とし、設計支援から部品調達、技術サポートまで一貫したサービスを提供している。

取り扱い製品はアナログIC、パワーマネジメントIC、MEMSセンサー、通信モジュールなど多岐にわたり、世界の主要半導体メーカーと密接に連携している点が強みである。これにより、自動車、産業機器、通信、IoTなど幅広い分野における次世代製品開発を支援している。

同社は北米、欧州、アジアを含むグローバルな販売ネットワークを構築しており、技術力と供給力を兼ね備えたディストリビューターとして、半導体産業の成長と安定供給に貢献している。

アヴネット(米)

アヴネット(Avnet, Inc.)は、1921年に設立され、米国アリゾナ州フェニックスに本社を置く世界有数の電子部品・半導体ディストリビューターである。IC、プロセッサ、メモリ、テスト・計測機器など多様な製品を取り扱い、世界の主要メーカーと連携して幅広い顧客に供給している。

同社は単なる販売にとどまらず、設計支援や評価キットの提供、BOM(部品表)管理、在庫・物流サービスを通じて、開発から量産までのプロセスを包括的に支援している点が特徴である。さらに、各種開発ボードや技術記事、セミナーを提供し、エンジニアや設計者の知識向上と効率的なプロジェクト推進を後押ししている。

グローバルに展開する供給網と技術支援体制を備えたアヴネットは、半導体産業における信頼性の高いパートナーとして世界的な地位を確立している。

WPG(台湾)

WPGホールディングスは、台湾・台北に本社を置く世界有数の半導体部品ディストリビューターであり、2005年の設立以来アジア太平洋地域で最も影響力を持つ企業の一つに成長している。同社はWPIg、SACg、AITg、YOSUNgの4つの主要ディストリビューターグループを通じて事業を展開し、約250の半導体メーカーの製品を代理・供給している。

70以上の拠点と約5,000人の従業員を擁するグローバル体制により、2024年には売上高約8,805億NTドルを達成している点も特筆される。取り扱う製品はICやメモリ、パワーデバイスなど多岐にわたり、顧客のニーズに応じた高度な物流・在庫管理サービスを提供している。また、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みにも注力し、持続可能な半導体流通を推進している。

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海外の半導体製造メーカー

世界の半導体市場を牽引する製造メーカーは多岐にわたる。ここでは代表的な18の企業を紹介する。

NVIDIA(エヌビディア)(米)

NVIDIA(エヌビディア)は、1993年に設立され、米国カリフォルニア州サンタクララに本社を置く半導体メーカーであり、GPU開発の世界的リーダーである。同社は独自設計のGPUとソフトウェアプラットフォームCUDAを基盤に、AI、高性能計算(HPC)、グラフィックス、自動運転、ロボティクスなど幅広い分野で事業を展開している。

GPUは元来グラフィックス処理用として普及したが、その並列演算能力により深層学習やデータセンターでのAI処理に不可欠な存在となり、クラウドサービスやスーパーコンピュータに広く導入されている。また、自動運転向けSoC「DRIVE」やエッジAIプラットフォーム「Jetson」なども展開し、次世代社会インフラを支える中核技術を提供している。NVIDIAはGPUアーキテクチャの進化を通じ、AIエコシステム全体の発展を牽引している。

Samsung SC(韓)

Samsung Semiconductor(サムスンセミコンダクター)は、韓国スウォンに本拠を置くSamsung Electronicsの主要事業部門であり、世界最大級の半導体メーカーとして知られている。DRAMやNAND型フラッシュメモリ、SSD、モバイル向けプロセッサ、CMOSイメージセンサーなど幅広い製品群を展開し、ストレージからモバイル機器、データセンターまで多様な市場を支えている。

さらに、最先端のファウンドリ事業では28nmから3nmに至る先進プロセス技術を提供し、ゲートオールアラウンド(GAA)構造を採用した3nmプロセスを世界に先駆けて量産化した実績を持つ。また、高機能パッケージング技術や設計支援プラットフォーム「SAFE™」を通じ、ファブレス半導体企業との協業を強化し、設計から量産までを包括的にサポートしている。同社はメモリとロジックの両面で世界市場を牽引する存在である。

SK Hynix(韓)

SK hynixは、韓国イチョン市に本社を置く世界有数のメモリ半導体メーカーであり、DRAMおよびNANDフラッシュメモリの両分野で高い技術力と市場シェアを誇っている。特にAI処理や高性能コンピューティング向けに不可欠な高帯域幅メモリ(HBM)では世界シェア約70%を占め、データセンターや生成AI分野での需要拡大を支えている。

また、最先端の321層3D QLC NANDフラッシュを世界で初めて量産化し、ストレージ効率の向上に貢献している点も注目される。加えて、同社の高性能SSD製品群はスマートフォンからクラウドサーバーに至る幅広い用途で採用されており、情報処理の高速化と省エネルギー化を後押ししている。

Broadcom(米)

Broadcom(ブロードコム)は、米国カリフォルニア州サンノゼに本社を置く半導体およびインフラソフトウェアの大手企業であり、世界的な技術リーダーとして知られている。同社はワイヤレス機器やネットワーク、データセンター、ストレージ、通信インフラ向けに多様な半導体製品を設計・開発しており、特に無線通信用チップセットやネットワークスイッチ用半導体、光デバイスなどで強みを発揮している。

また、サーバーやクラウドサービスの効率化を支えるストレージコントローラやセキュリティチップも提供している点が特徴である。さらに、半導体事業に加えてエンタープライズ向けのインフラソフトウェアやサイバーセキュリティソリューションも展開しており、ハードとソフトの両面で統合的な技術基盤を構築している。

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Intel(米)

Intel(インテル)は、1968年に設立され米国カリフォルニア州サンタクララに本社を置く世界最大手のマイクロプロセッサメーカーである。同社はPCからサーバー、クラウドデータセンターに至るまで幅広く利用される「インテル® Core™」シリーズや「インテル® Xeon®」シリーズを中心に、高性能CPUを提供している。

また、FPGAや組み込み向けプロセッサ、ネットワーク関連製品なども展開し、多様な市場のニーズに対応している。製造面では、米国やアイルランド、イスラエルなどに先端のウェハ工場とアセンブリ・テスト拠点を持ち、グローバル規模で安定的な供給体制を構築している点が強みである。

日本にも東京・千代田区に拠点を構え、研究開発や市場展開を支援している。インテルは半導体業界の基盤を築いてきた企業であり、今後も次世代コンピューティングを牽引する存在である。

Micron Technology(米)

Micron Technologyは、1978年に設立され米国アイダホ州ボイシに本社を置く、世界的なメモリ半導体メーカーである。DRAM、NANDフラッシュ、SSDといったメモリおよびストレージ製品を中心に事業を展開し、特にAI、自動車、データセンター、モバイル機器向けに最先端ソリューションを提供している。

高帯域幅メモリ(HBM)やCXL対応メモリなど、高性能・省電力・高密度を兼ね備えた製品群は市場で高い評価を得ている。また、研究開発と製造基盤の強化にも注力しており、日本・広島では最新のEUVリソグラフィを導入した次世代DRAM工場を建設中であり、1γノードの量産開始を目指している。Micronは革新的なメモリ技術を通じて、データ駆動型社会の進化を支える中核企業である。

Qualcomm(米)

Qualcomm(クアルコム)は、米国カリフォルニア州サンディエゴに本社を構える、ワイヤレス通信技術と半導体分野におけるグローバルリーダーである。同社は特にSnapdragonブランドのSoCを通じて、スマートフォン、PC、IoT機器、自動車向けに高性能かつ低消費電力なプロセッサや通信モデムを提供している。

これらは画像処理やAI処理、5G接続などの機能を統合し、モバイル端末から次世代モビリティまで幅広い用途に採用されている点が特徴である。また、QualcommはCDMAをはじめとする移動体通信規格に関する多数の特許を保有しており、4Gや5Gといった通信標準の普及において重要な役割を担ってきた。

ライセンシング事業は同社の収益基盤を支える柱であり、通信エコシステム全体の成長を後押ししている。Qualcommは半導体製品と知的財産の両面で、世界の接続社会を支える中核的存在である。

AMD(米)

AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)は、1969年に設立され米国カリフォルニア州サンタクララに本社を置く、世界的な半導体メーカーである。PC向けのRyzenプロセッサやサーバー向けのEPYCシリーズ、AI・HPC分野に対応するInstinctアクセラレータといった製品群を展開し、データセンターからゲーミング、組込み機器まで幅広い市場を支えている。

また、2020年にFPGA大手のXilinxを買収し、Adaptive Computing分野にも本格的に進出した。これにより、CPU・GPU・FPGAを統合的に提供する総合的なソリューション企業としての地位を確立している。AI対応プロセッサや次世代アーキテクチャの開発にも注力しており、エネルギー効率と演算能力の両立を実現する技術基盤で、次世代コンピューティングの進化を支える中核的存在である。

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MediaTek(台湾)

MediaTek(メディアテック)は、1997年に設立され台湾・新竹に本社を置く世界有数のファブレス半導体メーカーである。同社はシステム・オン・チップ(SoC)の開発を主力事業とし、スマートフォン、タブレット、スマートホーム機器、IoT端末、自動車向けインフォテインメントシステムなど幅広い分野に製品を供給している。

特にスマートフォン向け「Dimensity」シリーズは、5G通信、AI処理、高度な画像処理機能を備え、世界中で広く採用されている。年間で20億台以上のデバイスに同社の半導体が搭載されており、その普及率は業界トップクラスである。また、低消費電力かつ高性能な設計を特長とし、次世代のスマートコネクテッド社会を支える基盤技術を提供している。MediaTekは、AIや5G、エッジコンピューティングといった先端分野に注力し、世界市場における影響力を拡大している企業である。

Texas Instruments(米)

Texas Instruments Incorporated(テキサス・インスツルメンツ)は、1930年に設立され米国テキサス州ダラスに本社を置く世界的半導体メーカーである。主力はアナログ半導体および組み込みプロセッサであり、80,000以上の製品ラインナップを展開し、産業機器、車載、家電、通信機器など100,000社以上の顧客に利用されている。

アナログ分野ではバッテリー管理ICや高精度データコンバータ、電源ICなどが広く採用され、組み込み分野ではマイコン、ワイヤレス通信モジュール、レーダーセンサーなどを提供している。製造面では世界15カ所以上に拠点を持ち、特に300mmウェハ対応工場の新設や拡張により供給能力を強化している。TIは幅広い応用分野で信頼される高性能半導体を提供し、グローバル市場における安定した存在感を確立している企業である。

Infineon Technologies(独)

Infineon Technologies(インフィニオン・テクノロジーズ)は、1999年にシーメンスから分社化して設立されたドイツ本社の半導体メーカーであり、世界最大のパワー半導体供給企業である。シリコン(Si)に加え、シリコンカーバイド(SiC)やガリウムナイトライド(GaN)といった次世代材料を活用し、電力効率の最適化やエネルギー管理に特化したソリューションを提供している。

特に自動車分野では、電動車のインバータや制御システム向けパワーデバイスに加え、マイクロコントローラ(MCU)やセンサーで高いシェアを有し、先進運転支援システムや電動化を支えている。また産業用途では、工業用ドライブや再生可能エネルギーシステムに強みを持ち、エネルギー効率化と低炭素社会の実現に貢献している。パワーデバイスと制御ICを組み合わせた総合的なソリューションで、モビリティ、IoT、スマートエネルギーの分野をリードする企業である。

NXPセミコンダクターズ(蘭)

NXPセミコンダクターズは、オランダ・アイントホーフェンに本社を置く世界的な半導体メーカーであり、車載、IoT、産業、モバイル、通信インフラ分野に向けて高性能かつセキュアなソリューションを提供している。特に「ハイパフォーマンス・ミックスドシグナル半導体」に強みを持ち、MCU、プロセッサ、RF製品、セキュリティチップなど幅広い製品群を展開している。

車載分野では先進運転支援システム(ADAS)、電動化、車載ネットワーク用半導体に注力し、世界トップクラスのシェアを誇る。さらに、IoTや産業機器においては低消費電力かつ高信頼性を備えたMCUやセキュリティソリューションを提供し、次世代スマート社会を支えている。日本法人は東京、大阪、名古屋に拠点を置き、日本企業のグローバル展開を技術面と供給面で支える信頼あるパートナーとして活動している。

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海外の半導体製造装置メーカー

半導体産業を支える装置メーカーは日本だけでなく世界各国に存在する。ここでは代表的な9つを紹介する。

ASML(蘭)

ASMLは、1984年にオランダで設立され、フェルドホーフェンに本社を置く半導体製造装置メーカーである。半導体製造におけるリソグラフィ(露光)装置の分野で世界をリードしており、特に極端紫外線(EUV)リソグラフィ装置では唯一の供給企業として知られている。EUV装置は最先端の微細回路パターンを形成するために不可欠であり、プロセスの微細化による半導体チップの高速化や省電力化に直接寄与している。

また、同社はEUVに加えて深紫外線(DUV)リソグラフィ装置も展開し、幅広いノード世代の半導体製造に対応している。さらに、計測・検査システムやリソグラフィ用ソフトウェアを提供し、工程全体の信頼性と歩留まりの向上を実現している。ASMLは独自の技術力と市場独占的地位により、世界の半導体産業の進化を支える中核的存在である。

Applied Materials(米)

Applied Materialsは、1967年に設立され、米国カリフォルニア州サンタクララに本社を置く世界最大級の半導体製造装置メーカーである。同社は成膜、エッチング、CMP(化学機械的平坦化)、イオン注入、検査・計測といった製造工程のほぼ全てをカバーする装置を提供しており、幅広い半導体プロセスの革新を支えている。

特に薄膜形成技術や表面処理技術に強みを持ち、最先端ノードの微細化や高集積化に不可欠な役割を果たしている。また、同社は装置の長期使用を可能にする耐久性やアップグレード性を重視しており、修理や改良を前提とした設計を導入している点も特徴である。これにより、顧客は最新技術を取り入れながら環境負荷を抑制でき、持続可能な製造体制を構築できる。

Applied Materialsは、技術力と総合的ソリューションにより世界の半導体産業を牽引している。

Lam Research(米)

Lam Researchは、1980年に設立され、米国カリフォルニア州フリーモントに本社を置く半導体製造装置メーカーである。主力分野はウェハ加工装置であり、特に薄膜形成(成膜)、プラズマエッチング、レジスト除去、洗浄といった工程に強みを持つ。

これらの装置は、半導体の微細化と高集積化を進める上で不可欠であり、最先端プロセスにおける信頼性と精度を保証している。同社は設計から製造、販売、アフターサービスまでを一貫して手がけ、顧客のプロセス革新を長期的に支援する体制を整えている点が特徴である。また、日本法人を通じて国内メーカーにも長年技術と装置を提供しており、日本市場での存在感も大きい。Lam Researchは、高度な加工技術でチップの小型化と性能向上に寄与する世界的リーダーである。

KLA(米)

KLAは、1975年に米国カリフォルニア州で設立され、現在はミルピタスに本社を置く半導体製造装置メーカーである。半導体分野では欠陥検査と計測技術に特化し、世界トップクラスのシェアを誇っている。ウェハやパッケージ基板の製造工程に用いられる高精度な検査・計測装置を提供し、微細化が進む最先端プロセスにおける品質確保と歩留まり向上を支えている。

また、AIを活用したデータ解析システムやプロセス制御装置を組み合わせることで、生産効率を高めるソリューションを展開している。さらに、Frontline®ブランドによる品質管理ソフトウェアやサービスを通じて、研究開発段階から量産プロセスまで包括的にサポートする体制を整備している。KLAは高度な計測と解析技術により、半導体産業の安定供給と技術革新を支える重要な企業である。

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ASM International(蘭)

ASM Internationalは、1968年に設立され、オランダ・アルメレに本社を置く半導体製造装置メーカーである。世界中の半導体メーカーに向けて、ウェハ上に高品質な薄膜を形成する成膜装置を提供しており、微細化と高集積化が進む最先端プロセスを支えている。特に原子層成膜(ALD)では業界を牽引する存在であり、エピタキシャル成膜(Epitaxy)、プラズマ強化化学気相成長(PECVD)、垂直炉(Vertical Furnaces)など多様な技術ポートフォリオを展開している。これらの装置はAI用半導体、自動車向け制御デバイス、医療機器、再生可能エネルギー関連デバイスなど幅広い分野で活用され、小型で高性能なチップの製造を可能にしている。ASM Internationalは革新的な装置の開発を通じ、プロセス精度と生産効率を高める重要なパートナーとして国際的に高い評価を得ている。

NAURA(中国)

NAURA Technology Group(北方华创科技集团)は、中国・北京に本社を置く半導体製造装置メーカーであり、国内最大級の規模を誇る企業である。主力事業はプラズマエッチング装置、PVD(物理気相成長)、CVD(化学気相成長)、焼成炉、洗浄装置、ガス制御システムなどの設計・製造であり、IC、パワー半導体、先進封装、化合物半導体といった幅広い用途に対応している。

こうした製品群は中国国内の半導体産業に広く採用されており、同国が目指す半導体自立化に大きく寄与している点が特徴である。さらに、2024年には世界の半導体製造装置サプライヤーランキングで中国企業として唯一トップ10入りを果たし、第6位に位置付けられた。NAURAは、研究開発力と総合的な装置提供を強みに、国際市場でも存在感を高めつつある企業である。

Teradyne(米)

Teradyneは、1960年に設立され、米国マサチューセッツ州ノースリーディングに本社を置く自動検査装置(ATE)の世界的大手メーカーである。半導体分野ではSemiconductor Test Divisionを中心に事業を展開し、論理、アナログ、RF、パワー、ミックスシグナル、メモリといった幅広いデバイスに対応する高性能なテストソリューションを提供している。

同社の装置は柔軟なモジュラー型ハードウェアと高度なソフトウェアを組み合わせることで、テスト効率を高めるとともに品質保証を実現している。代表的な製品には「UltraFLEX」や「J750」シリーズがあり、ロジックICからSoC、メモリに至るまで多様な半導体デバイスのテストに用いられている。Teradyneはテスト精度とコスト削減を両立するソリューションにより、世界の半導体産業において重要な役割を果たしている。

SEMES(韓)

SEMESは、韓国を代表する半導体製造装置メーカーであり、年商約3兆ウォン規模を誇る。主力分野はウェハの前工程を支える洗浄(クリーン)装置、フォトトラック装置、エッチング装置であり、さらにテスト装置やパッケージング装置、物流自動化システムまで幅広い製品群を展開している。

特に、半導体用スーパークリティカル洗浄装置は韓国政府から国家核心技術に認定されるなど、独自の技術力の高さが評価されている。同社は設計から製造、販売、サービスまで一貫して手掛け、韓国国内はもちろんグローバル市場でも存在感を高めている。日本や米国メーカーに匹敵する装置を提供することで、先端チップの量産体制を支え、半導体産業全体の競争力強化に貢献している。

AMEC(中国)

AMEC(Advanced Micro-Fabrication Equipment Inc. China)は、2004年に設立され、中国・上海に本社を置く半導体製造装置メーカーである。グローバルに事業を展開し、最先端プロセスに対応する装置を提供している点で注目されている。特に、プロセスノード5nm以下に対応する絶縁膜やTSV(貫通シリコンビア)のエッチング装置を手がけており、微細化の進む半導体製造において重要な役割を果たしている。

また、LEDやパワーデバイス向けにMOCVD装置も展開し、幅広いデバイス分野に貢献している。AMECの装置は前工程に不可欠な高精度ツール群として信頼を集めており、チップの高性能化と同時に製造コストの削減を実現する技術基盤を提供している。同社は急成長を遂げる中国半導体産業を支える中核企業の一つとして、国際市場でも存在感を高めている。

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海外の半導体材料メーカー

半導体の高性能化を支える材料分野でも、世界には存在感を示す企業がある。ここでは代表的な2つを紹介する。

Dow Inc.(米)

Dow Inc.は、1897年に設立され、米国ミシガン州ミッドランドに本社を置く世界的化学メーカーであり、幅広い産業に材料ソリューションを提供している。半導体分野では、エレクトロニクス材料事業を通じて製造工程の信頼性と性能を支える製品を展開している。代表的なものに、薄膜プロセスやフォトレジスト処理に使用される高純度溶剤や界面活性剤、CMPスラリーなどのプロセス補助剤「ELECPURE™」がある。

また、半導体パッケージ向けには封止用やコーティング用のシリコーン材料を供給し、熱管理用途には高熱伝導性を活かした熱インターフェース材も展開している。これらの製品群は、微細化が進む最先端チップの安定した動作と高信頼性を確保する上で不可欠であり、ダウは総合的な材料ポートフォリオを通じて世界の半導体製造を支える重要な存在となっている。

SICC Co.,Ltd.(中国)

SICC Co.,Ltd.は、中国・山東省済南市に本社を構える半導体材料メーカーであり、単結晶炭化ケイ素(SiC)ウェーハの研究開発・製造・販売を専門としている。同社が提供する4H型SiCウェーハには、N型と半絶縁型の両タイプがあり、高品質かつ高信頼性を備えている点が特徴である。

炭化ケイ素はシリコンとカーボンから成る化合物半導体であり、広いバンドギャップや高い熱伝導性、優れた耐電圧性、電子移動速度の速さといった物理特性を持つ。これにより、従来のシリコン基板では対応が難しい高効率パワーエレクトロニクス分野に最適とされ、電気自動車、再生可能エネルギーシステム、5G通信インフラなどでの応用が進んでいる。

SICCはSiCの大口径化や高品質化技術の確立を進めることで、中国国内外における次世代半導体市場を支える重要な供給源となっている。

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海外の半導体商社

世界の半導体流通を支える商社は多く存在する。ここでは代表的な3つを紹介する。

アロー・エレクトロニクス(米)

アロー・エレクトロニクスは、1935年に設立され、米国コロラド州センテニアルに本社を置く世界最大級のエレクトロニクス商社である。電子部品および半導体のディストリビューションを主力とし、設計支援から部品調達、技術サポートまで一貫したサービスを提供している。

取り扱い製品はアナログIC、パワーマネジメントIC、MEMSセンサー、通信モジュールなど多岐にわたり、世界の主要半導体メーカーと密接に連携している点が強みである。これにより、自動車、産業機器、通信、IoTなど幅広い分野における次世代製品開発を支援している。

同社は北米、欧州、アジアを含むグローバルな販売ネットワークを構築しており、技術力と供給力を兼ね備えたディストリビューターとして、半導体産業の成長と安定供給に貢献している。

アヴネット(米)

アヴネット(Avnet, Inc.)は、1921年に設立され、米国アリゾナ州フェニックスに本社を置く世界有数の電子部品・半導体ディストリビューターである。IC、プロセッサ、メモリ、テスト・計測機器など多様な製品を取り扱い、世界の主要メーカーと連携して幅広い顧客に供給している。

同社は単なる販売にとどまらず、設計支援や評価キットの提供、BOM(部品表)管理、在庫・物流サービスを通じて、開発から量産までのプロセスを包括的に支援している点が特徴である。さらに、各種開発ボードや技術記事、セミナーを提供し、エンジニアや設計者の知識向上と効率的なプロジェクト推進を後押ししている。

グローバルに展開する供給網と技術支援体制を備えたアヴネットは、半導体産業における信頼性の高いパートナーとして世界的な地位を確立している。

WPG(台湾)

WPGホールディングスは、台湾・台北に本社を置く世界有数の半導体部品ディストリビューターであり、2005年の設立以来アジア太平洋地域で最も影響力を持つ企業の一つに成長している。同社はWPIg、SACg、AITg、YOSUNgの4つの主要ディストリビューターグループを通じて事業を展開し、約250の半導体メーカーの製品を代理・供給している。

70以上の拠点と約5,000人の従業員を擁するグローバル体制により、2024年には売上高約8,805億NTドルを達成している点も特筆される。取り扱う製品はICやメモリ、パワーデバイスなど多岐にわたり、顧客のニーズに応じた高度な物流・在庫管理サービスを提供している。また、ESG(環境・社会・ガバナンス)への取り組みにも注力し、持続可能な半導体流通を推進している。WPGは供給網と技術支援力を兼ね備えた業界のリーディングカンパニーである。

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海外の半導体製造メーカー

世界の半導体市場を牽引する製造メーカーは多岐にわたる。ここでは代表的な18の企業を紹介する。

NVIDIA(エヌビディア)(米)

NVIDIA(エヌビディア)は、1993年に設立され、米国カリフォルニア州サンタクララに本社を置く半導体メーカーであり、GPU開発の世界的リーダーである。同社は独自設計のGPUとソフトウェアプラットフォームCUDAを基盤に、AI、高性能計算(HPC)、グラフィックス、自動運転、ロボティクスなど幅広い分野で事業を展開している。

GPUは元来グラフィックス処理用として普及したが、その並列演算能力により深層学習やデータセンターでのAI処理に不可欠な存在となり、クラウドサービスやスーパーコンピュータに広く導入されている。また、自動運転向けSoC「DRIVE」やエッジAIプラットフォーム「Jetson」なども展開し、次世代社会インフラを支える中核技術を提供している。NVIDIAはGPUアーキテクチャの進化を通じ、AIエコシステム全体の発展を牽引している。

Samsung SC(韓)

Samsung Semiconductor(サムスンセミコンダクター)は、韓国ソウルに本拠を置くSamsung Electronicsの主要事業部門であり、世界最大級の半導体メーカーとして知られている。DRAMやNAND型フラッシュメモリ、SSD、モバイル向けプロセッサ、CMOSイメージセンサーなど幅広い製品群を展開し、ストレージからモバイル機器、データセンターまで多様な市場を支えている。

さらに、最先端のファウンドリ事業では28nmから3nmに至る先進プロセス技術を提供し、ゲートオールアラウンド(GAA)構造を採用した3nmプロセスを世界に先駆けて量産化した実績を持つ。また、高機能パッケージング技術や設計支援プラットフォーム「SAFE™」を通じ、ファブレス半導体企業との協業を強化し、設計から量産までを包括的にサポートしている。同社はメモリとロジックの両面で世界市場を牽引する存在である。

SK Hynix(韓)

SK hynixは、韓国・城南市に本社を置く世界有数のメモリ半導体メーカーであり、DRAMおよびNANDフラッシュメモリの両分野で高い技術力と市場シェアを誇っている。特にAI処理や高性能コンピューティング向けに不可欠な高帯域幅メモリ(HBM)では世界シェア約70%を占め、データセンターや生成AI分野での需要拡大を支えている。

また、最先端の321層3D QLC NANDフラッシュを世界で初めて量産化し、ストレージ効率の向上に貢献している点も注目される。加えて、同社の高性能SSD製品群はスマートフォンからクラウドサーバーに至る幅広い用途で採用されており、情報処理の高速化と省エネルギー化を後押ししている。SK hynixは、革新的なメモリ技術の提供を通じて、AIおよびデータ経済の進化を支える中核的プレイヤーである。

Broadcom(米)

Broadcom(ブロードコム)は、米国カリフォルニア州サンノゼに本社を置く半導体およびインフラソフトウェアの大手企業であり、世界的な技術リーダーとして知られている。同社はワイヤレス機器やネットワーク、データセンター、ストレージ、通信インフラ向けに多様な半導体製品を設計・開発しており、特に無線通信用チップセットやネットワークスイッチ用半導体、光デバイスなどで強みを発揮している。

また、サーバーやクラウドサービスの効率化を支えるストレージコントローラやセキュリティチップも提供している点が特徴である。さらに、半導体事業に加えてエンタープライズ向けのインフラソフトウェアやサイバーセキュリティソリューションも展開しており、ハードとソフトの両面で統合的な技術基盤を構築している。Broadcomは、半導体とソフトウェアの両分野でグローバルなデジタル社会を支える中核的存在である。

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Intel(米)

Intel(インテル)は、1968年に設立され米国カリフォルニア州サンタクララに本社を置く世界最大手のマイクロプロセッサメーカーである。同社はPCからサーバー、クラウドデータセンターに至るまで幅広く利用される「インテル® Core™」シリーズや「インテル® Xeon®」シリーズを中心に、高性能CPUを提供している。

また、FPGAや組み込み向けプロセッサ、ネットワーク関連製品なども展開し、多様な市場のニーズに対応している。製造面では、米国やアイルランド、イスラエルなどに先端のウェハ工場とアセンブリ・テスト拠点を持ち、グローバル規模で安定的な供給体制を構築している点が強みである。

日本にも東京・千代田区に拠点を構え、研究開発や市場展開を支援している。インテルは半導体業界の基盤を築いてきた企業であり、今後も次世代コンピューティングを牽引する存在である。

Micron Technology(米)

Micron Technologyは、1978年に設立され米国アイダホ州ボイシに本社を置く、世界的なメモリ半導体メーカーである。DRAM、NANDフラッシュ、SSDといったメモリおよびストレージ製品を中心に事業を展開し、特にAI、自動車、データセンター、モバイル機器向けに最先端ソリューションを提供している。

高帯域幅メモリ(HBM)やCXL対応メモリなど、高性能・省電力・高密度を兼ね備えた製品群は市場で高い評価を得ている。また、研究開発と製造基盤の強化にも注力しており、日本・広島では最新のEUVリソグラフィを導入した次世代DRAM工場を建設中であり、1γノードの量産開始を目指している。Micronは革新的なメモリ技術を通じて、データ駆動型社会の進化を支える中核企業である。

Qualcomm(米)

Qualcomm(クアルコム)は、米国カリフォルニア州サンディエゴに本社を構える、ワイヤレス通信技術と半導体分野におけるグローバルリーダーである。同社は特にSnapdragonブランドのSoCを通じて、スマートフォン、PC、IoT機器、自動車向けに高性能かつ低消費電力なプロセッサや通信モデムを提供している。

これらは画像処理やAI処理、5G接続などの機能を統合し、モバイル端末から次世代モビリティまで幅広い用途に採用されている点が特徴である。また、QualcommはCDMAをはじめとする移動体通信規格に関する多数の特許を保有しており、4Gや5Gといった通信標準の普及において重要な役割を担ってきた。

AMD(米)

AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)は、1969年に設立され米国カリフォルニア州サンタクララに本社を置く、世界的な半導体メーカーである。PC向けのRyzenプロセッサやサーバー向けのEPYCシリーズ、AI・HPC分野に対応するInstinctアクセラレータといった製品群を展開し、データセンターからゲーミング、組込み機器まで幅広い市場を支えている。

また、2020年にFPGA大手のXilinxを買収し、Adaptive Computing分野にも本格的に進出した。これにより、CPU・GPU・FPGAを統合的に提供する総合的なソリューション企業としての地位を確立している。AI対応プロセッサや次世代アーキテクチャの開発にも注力しており、エネルギー効率と演算能力の両立を実現する技術基盤で、次世代コンピューティングの進化を支える中核的存在である。

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MediaTek(台湾)

MediaTek(メディアテック)は、1997年に設立され台湾・新竹に本社を置く世界有数のファブレス半導体メーカーである。同社はシステム・オン・チップ(SoC)の開発を主力事業とし、スマートフォン、タブレット、スマートホーム機器、IoT端末、自動車向けインフォテインメントシステムなど幅広い分野に製品を供給している。

特にスマートフォン向け「Dimensity」シリーズは、5G通信、AI処理、高度な画像処理機能を備え、世界中で広く採用されている。年間で20億台以上のデバイスに同社の半導体が搭載されており、その普及率は業界トップクラスである。また、低消費電力かつ高性能な設計を特長とし、次世代のスマートコネクテッド社会を支える基盤技術を提供している。

Texas Instruments(米)

Texas Instruments Incorporated(テキサス・インスツルメンツ)は、1930年に設立され米国テキサス州ダラスに本社を置く世界的半導体メーカーである。主力はアナログ半導体および組み込みプロセッサであり、80,000以上の製品ラインナップを展開し、産業機器、車載、家電、通信機器など100,000社以上の顧客に利用されている。

アナログ分野ではバッテリー管理ICや高精度データコンバータ、電源ICなどが広く採用され、組み込み分野ではマイコン、ワイヤレス通信モジュール、レーダーセンサーなどを提供している。製造面では世界15カ所以上に拠点を持ち、特に300mmウェハ対応工場の新設や拡張により供給能力を強化している。TIは幅広い応用分野で信頼される高性能半導体を提供し、グローバル市場における安定した存在感を確立している企業である。

Infineon Technologies(独)

Infineon Technologies(インフィニオン・テクノロジーズ)は、1999年にシーメンスから分社化して設立されたドイツ本社の半導体メーカーであり、世界最大のパワー半導体供給企業である。シリコン(Si)に加え、シリコンカーバイド(SiC)やガリウムナイトライド(GaN)といった次世代材料を活用し、電力効率の最適化やエネルギー管理に特化したソリューションを提供している。

特に自動車分野では、電動車のインバータや制御システム向けパワーデバイスに加え、マイクロコントローラ(MCU)やセンサーで高いシェアを有し、先進運転支援システムや電動化を支えている。また産業用途では、工業用ドライブや再生可能エネルギーシステムに強みを持ち、エネルギー効率化と低炭素社会の実現に貢献している。

NXPセミコンダクターズ(蘭)

NXPセミコンダクターズは、オランダ・アイントホーフェンに本社を置く世界的な半導体メーカーであり、車載、IoT、産業、モバイル、通信インフラ分野に向けて高性能かつセキュアなソリューションを提供している。特に「ハイパフォーマンス・ミックスドシグナル半導体」に強みを持ち、MCU、プロセッサ、RF製品、セキュリティチップなど幅広い製品群を展開している。

車載分野では先進運転支援システム(ADAS)、電動化、車載ネットワーク用半導体に注力し、世界トップクラスのシェアを誇る。さらに、IoTや産業機器においては低消費電力かつ高信頼性を備えたMCUやセキュリティソリューションを提供し、次世代スマート社会を支えている。日本法人は東京、大阪、名古屋に拠点を置き、日本企業のグローバル展開を技術面と供給面で支える信頼あるパートナーとして活動している。

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STマイクロエレクトロニクス(瑞)

STマイクロエレクトロニクスは、スイス・ジュネーブに本社を置く欧州最大級の半導体メーカーであり、設計から製造までを自社で一貫して行うIDMとして事業を展開している。マイクロコントローラ、パワー半導体、MEMSセンサー、アナログICなど幅広い製品群を持ち、自動車、産業機器、通信、コンシューマー製品など多岐にわたる市場に供給している。

特に自動車分野では電動化やADAS向けに強みを発揮し、エッジAIやIoT分野では低消費電力かつ高性能なソリューションを提供している。また、パワーデバイスにおいてはSiC(炭化ケイ素)技術を活用し、次世代エネルギー効率化を支える製品を展開している。

Analog Devices(米)

Analog Devices(アナログ・デバイセズ)は、米国マサチューセッツ州に本社を置く世界的半導体メーカーであり、アナログ、ミックスドシグナル、デジタル信号処理(DSP)技術を中核に事業を展開している。データコンバータ、増幅器、RFデバイス、電力管理ICを中心に約75,000の製品群を有し、モビリティ、産業機器、医療機器、通信インフラなど多様な分野で利用されている。

特に、現実世界のアナログ信号を正確に取得・変換・処理する技術に強みを持ち、センサーからクラウドまでの信号チェーン全体を支えるソリューションを提供している。2024年度の売上高は94億ドルに達し、10万人以上の顧客に製品を供給している。

Marvell Technology(米)

Marvell Technology(マーベル・テクノロジー)は、1995年に設立され米国カリフォルニア州サンタクララに本社を置くファブレス半導体企業である。AIやクラウドの普及に伴い拡大するデータインフラ需要に応えるため、高速ネットワーキング、カスタムSoC、ストレージ制御IC、電気光学インターフェースなど幅広い半導体ソリューションを展開している。

特にデータセンター向けでは、効率的かつ高性能な処理を実現するチップ設計に強みを持ち、通信事業者や大手クラウドプロバイダーとの協業を通じて最先端技術の実装を推進している。また、自動車分野やAIアクセラレーション用途への応用も進めており、次世代インフラを支える重要な半導体企業として存在感を高めている。

Onsemi(米)

Onsemi(オンセミ)は、米国アリゾナ州フェニックスに本社を置く半導体メーカーであり、NASDAQに上場するグローバル企業である。主力はインテリジェントパワー制御とセンシング技術で、自動車の電動化や先進運転支援システム(ADAS)、産業機器の省エネルギー化、クラウド・5Gインフラに幅広く貢献している。

製品群はSiC MOSFET、IGBT、パワーマネジメントIC、車載用イメージセンサー、Hyperluxシリーズなど多岐にわたり、高効率かつ高信頼性のデバイス供給を特徴としている。また、日本国内では東京や群馬に拠点を構え、設計・開発から顧客サポートまで地域密着型の技術支援を行う体制を整えており、世界市場での存在感を一層高めている企業である。

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Microchip Technology(米)

Microchip Technology(マイクロチップ・テクノロジー)は、米国アリゾナ州チャンドラーに本社を構える半導体メーカーであり、組込みシステム分野を中心に幅広い製品群を展開している。世界で最も多く出荷されている8ビットマイクロコントローラをはじめ、16ビットや32ビットARMベースのMCU、FPGA、アナログIC、インターフェースIC、無線通信モジュール、パワー半導体などを提供している。

特に高信頼性と長期供給体制を強みとし、自動車、産業、通信、家電といった多様な市場に応用されている。また、豊富な開発ツール群と無料の教育プログラム「Microchip University」による設計支援により、エンジニアが設計から量産に至るまで効率的に開発できる環境を整えている点も特徴である。

TSMC(台湾)

TSMC(台湾積体電路製造)は1987年に設立された世界初の専業ファウンドリ企業であり、現在も世界最大の受託半導体製造企業として業界を牽引している。本社は台湾・新竹にあり、先端ロジック半導体の製造を中心にグローバル展開を進めている。5nm、3nmに加え次世代の2nmプロセス技術を開発中であり、微細化と高性能化の最前線に立っている。

顧客にはApple、NVIDIA、AMDなど世界有数の半導体設計企業が名を連ね、設計から量産までの信頼性と生産能力において突出した存在である。2024年には熊本工場が稼働を開始し、日本国内でも生産拠点を確立した。こうした高度な技術と製造能力により、TSMCは世界中の半導体需要を支える不可欠な企業である。

まとめ

日本は特にシリコンウェーハ、フォトレジスト、高純度ガスやフッ素化学品など、素材・材料分野において世界的に高い競争力を持ち、グローバルサプライチェーンに欠かせない存在である。また、ソニーのイメージセンサー、キオクシアのNAND型フラッシュメモリ、ルネサスの車載・産業用半導体といった代表企業は、いずれも世界半導体売上ランキングでトップ20に入る規模を誇り、日本発の技術が世界市場を支えていることは明らかである。

一方で、量産ファウンドリやメモリにおいては、TSMCやSamsung、SK Hynixなど海外勢が圧倒的なシェアを握り、日本は製造面で後れをとっているのが現状だ。今後は、強みである素材や装置の技術を活かしながら、製造プロセスや先端パッケージなどでも競争力を高めることが求められる。

半導体はAI、自動車、通信、エネルギーなどあらゆる分野を支える基盤であり、その動向は世界経済に直結する。日本企業がさらなる飛躍を遂げるかどうか、今後も半導体業界から目を離すことはできない。

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