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導入事例

調査の“空振り”がほぼゼロに。意思決定の精度とスピードを劇的に高めた情報戦略

株式会社豊田自動織機

繊維機械、自動車(車両、エンジン、カーエアコン用コンプレッサーほか)、産業車両、エレクトロニクス、物流 他

【取材にご協力いただいた方】
・コンプレッサ事業部 技術部 宮野 俊行 様
・コンプレッサ事業部 技術部 開発第三室 第31グループ 主担当員 矢野 順也 様
・コンプレッサ事業部 技術部 開発第三室 第34グループ グループ長 深谷 美博 様


目次

・市場を牽引するトップメーカー(※1)が直面した、変革期の壁
・専門家の視点が情報の価値を増幅させる
・情報収集における“空振り”が激減。意思決定の質とスピードが劇的に向上
・Aconnectが育む、能動的に学び合う組織文化
・社内情報を連携し、Aconnectで誰もが使える情報検索体験を


「これまでの調査は、情報精度が低く、ほとんどが空振りに終わっていました。  それが今では、調査の成功率が飛躍的に改善され、調査の “ 空振り ” が大幅に減りました。」そう語るのは、開発現場と経営層の意思決定を繋ぐ役割を担う宮野様だ。

世界トップシェア(※1)を誇るカーエアコン向けコンプレッサー事業を含め、社会課題の解決をリードする株式会社豊田自動織機。同社は多様化・複雑化する市場ニーズに対応するための新たな情報戦略を模索していた。こうした背景のもと、コンプレッサ事業部ではAconnectを導入。

本記事では、同事業部の宮野様、矢野様、深谷様に、Aconnectの導入背景や具体的な活用方法、そして導入によって得られた効果について、詳しく話を伺った。


市場を牽引するトップメーカー(※1)が直面した、変革期の壁

株式会社豊田自動織機は、モビリティや物流、環境、エネルギーといった幅広い分野で社会に価値を提供するグローバルメーカーだ。なかでも自動車用エアコン向けコンプレッサーでは世界トップシェア(※1)を誇り、その高い技術力で世界のモビリティ社会を支えている。この事業にかける思いについて、コンプレッサ事業部の宮野様は次のように語った。

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宮野様

圧倒的なシェアを誇る中で、どのような思いで事業を率いていらっしゃるのでしょうか。

宮野様:「我々の思いは、市場全体に良い影響を与えられる存在を目指したいと考えています。特定のニーズに応える製品を作るだけでなく、市場全体が次のステップへスムーズに進んでいけるように貢献していきたいと思っています。」

しかし、“100年に一度”とも言われる変革期は、トップメーカー(※1)である同社にも新たな課題を突きつけた。なかでも、クルマの電動化(EV化)は市場のルールそのものを大きく変えたという。「以前は、“この方向に進めばいい”という、ある程度共通の道筋が見えていました。しかし電動化の進展によって、お客様である自動車メーカーのニーズが、航続距離、効率性、静粛性など、多様な方向へ拡散し始めたのです。」

こうした市場の変化は、製品の魅力を追求し続けてきた同社にとって、大きな課題を突きつけるものでした。さらに、欧州での環境規制の強化や、中国市場での急速な技術革新など、地域ごとに異なるトレンドを網羅的かつタイムリーに把握する必要性も高まっていった。

宮野様:「もちろん情報は入ってくるのですが、その確度は低く確証が得られないため、次の一手を打つのが難しい状況でした。裏付けを得ようと社内の専門家に意見を求めても、最終的には『まだ結論が出ていない』という状況に至ることが多く、その結果“動けないジレンマ”に多くの時間と労力を費やしていました。」

従来の要約型情報サービスでは、情報の鮮度や具体性が十分でなく、専門知識も各担当者に属人化。膨大な情報量と変化のスピードが、人の判断や組織の対応力を上回り始めていたのだ。


専門家の視点が情報の価値を増幅させる

こうした課題を解決するため、同事業部では「Aconnect」を導入した。専門分野の異なるメンバーが、それぞれの視点で情報を収集・解釈し、コメント(示唆)を添えて共有する仕組みだ。活用方法はいたってシンプルだが、一人ひとりのフィルターを通すという“ひと手間”が、情報の価値を最大化している。

たとえば、技術開発のエキスパートである矢野様は、主に海外の一次情報や競合の技術動向を深掘りしている。

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矢野様

ー実際にAconnectを活用する中で、どのような変化や効果を感じていますか?

矢野様:「これまでアクセスする術がなかった中国圏などの海外の専門ニュースや技術記事を収集できるのは大きいですね。日本のマスメディアの記事では収集困難でしたし、Google検索で中国語の情報を探そうとする人はいませんから(笑)。Aconnectは海外(主に米国・欧州・中国)で行われる研究会の発表などの技術情報を、注目分野に特化し厳選された形で収集できるので、これまで見えていなかった海外の競合などの動きが容易に掴めるようになりました」

さらに矢野様は、収集した情報を自身の知見と照らし合わせながら分析し、その結果をチームに共有している。

矢野様:「もともと、他社の公開特許の調査などをして業界の技術トレンドを分析する、という取り組みを続けていました。その視点でAconnect上でピックアップされる最新情報に対して『この新しい技術は次期製品への採用検討をする価値がある』といった解説を添えて共有すると、多くのメンバーが反応してくれるんです。そうすることで開発チームの中のコミュニケーションも活発になり、新規開発のモチベーションがぐっと上がってきたんですよ。」

一方で、矢野様と同じく先行開発を担当する深谷様は、Aconnectによって“思わぬ発見”があったと語る。

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深谷様

深谷様: 「以前は、規制に関する一次情報(原文)を追いかけるだけでした。特に海外については。でも私は法規制の専門家ではないので、正しく解釈できているか自信が持てなかったんです。Aconnectは、その原文をわかりやすく解説している記事も見つけてくれるので、自分の理解が合っているかを検証できるようになりました。また、『この情報はあの人には関係ないかな』と思って共有をためらうような記事でも、Aconnect上でマークを付けておくと、意外な人が反応してくれる。『この人もこういう情報に興味があったんだ』と気づけて、そこからコミュニケーションが生まれることもあります。」

そして、日頃から二人が発信する情報を受け取っている宮野様は、その価値をこう語る。

宮野様:「私一人では、同じニュースを見てもその技術の専門家である彼らのような示唆までは得られません。でも、矢野や深谷といった社内の信頼できる人のフィルターを通した情報に触れることで、ニュースの背景や意味を深く理解できるようになりました。情報の信頼性が格段に上がり、経営層への提案にも自信を持って盛り込めます。まるで、信頼できるパートナーが側にいて支えてくれるような感覚ですね」


情報収集における“空振り”が激減。意思決定の質とスピードが劇的に向上

ーどのような場面でAconnectの導入効果を感じますか?

Aconnectの導入効果は、意思決定の「質」と「スピード」に明確に表れ始めている。「以前は、不確定な情報を基に、様々な情報元にアクセスしても、情報精度が低く、ほとんどが空振りに終わっていました。それがAconnectを採用してから、ピンポイントで適切な情報元にアクセスできるため、空振りが大幅に減ったんです。」と宮野様は力を込めて語る。

宮野様:「たとえば、変化を示唆する噂レベルの情報を得ることがあります。当時は情報の信憑性が不明確だったのですが、Aconnectを活用して複数の関連情報を確認したことで、状況をより明確に捉えることができました。以前なら、こうした裏付けを取るだけで数週間はかかっていたでしょう。」

“51対49”という曖昧な情報が、Aconnectで得られる客観的な周辺情報と組み合わさることで、“8対2”と言えるほど確信度の高い情報へと変わる。点と点だった情報が線でつながり、納得感を持って次のアクションを判断できるようになったのだ。

情報の“鮮度”も格段に上がったと、矢野様は続ける。

矢野様:「以前使っていた月1回の情報配信サービスでは、届いた頃には『そんなのもう知ってるよ』ということも多かったんです。今は世界中のニュースサイトから速報レベルで情報が入ってくるので、常に新鮮な状態で議論ができます。」


Aconnectが育む、能動的に学び合う組織文化

宮野様は今後の展望について、Aconnectを単なる情報収集ツールとしてではなく、組織の文化を育てるための基盤にしていきたいと語る。

宮野様:「今、一つのテーマとして『情報収集ができる人材の育成』を掲げています。たとえば10人ほどのグループで、Aconnect上でコメントを交わしながら情報を回していく。そうすることで、若手も情報収集の楽しさや重要性を自然に体感でき、組織全体に“能動的に動く文化”が根付いていくはずです。強制ではなく、能動的に情報に触れられる場をAconnectで作っていきたいですね。」

矢野様もまた、発信する側と受け取る側、双方の視点からツールの進化に期待を寄せる。

矢野様:「発信する側としては、自分の投稿に少しでも反応があると嬉しいものです。SNSの“いいね!”のように、心理的安全性が保たれた中で気軽にフィードバックできる仕組みが出来て、みんなが情報を発信できるようになると、コミュニケーションはもっと活性化すると思います。」


社内情報を連携し、Aconnectで誰もが使える情報検索体験を

さらに同社では、今後社内情報も連携させることで、Aconnectがポータルサイトのような位置づけに進化することも期待している。矢野様は、理想とする未来像を次のように語る。

矢野様:「今は誰もがGoogleで探しますが、昔使っていた検索とニュースが一体化したポータルサイトのように、 トップ画面から必要な情報が自然に出てきて、そこから自分たちの関連資料や社内情報にもすぐアクセスできるようになると理想です。」

長い事業の歴史の中で蓄積された膨大な社内データを、わかりやすいインターフェイスとAIでだれもが利活用できる環境を構築することが、更なる事業成長の鍵となる。

矢野様:「単に検索できるだけでなく、AIが自動的に取捨選択して“今必要な情報”をプッシュしてくれるようになると理想です。今は社内データがクラウドサーバーに保管されていて、そのクラウド自体にもAI機能が出てきていますが、Aconnectならではの違いと強みを期待しています。」

トップメーカー(※1)として市場を牽引し続ける豊田自動織機。その競争力の源泉は、変化を恐れず、常に自らをアップデートし続ける姿勢にある。Aconnectは、その文化をさらに加速させる新たなエンジンとなるだろう。

※1 豊田自動織機調べ

※2 記事内容および、ご所属等は取材当時のものです。



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